2024/09/26
(9/26 以下、柴橋さん投稿です。)
芝生の中に咲いている小さな花たちを紹介します。先ずは、オオフタバムグラ(大双葉葎)。「大」とは名ばかりで、花の大きさは5ミリあるかないかでしょうか。元々「双葉葎」という在来種があったところに入ってきた外来種で、「双葉葎」よりは大きいというのが名前の由来なのでしょう。
花は小さいのに写真にはっきり写せるくらいの大きな花粉です。雄蕊だけでなく、雌蕊に付着した花粉までも見ることができます。
次いで、コニシキソウ(小錦草)。これも元々「錦草」という在来種があったところに入ってきた外来種だそうです。地面に這って広がるジベタリアンです。花と呼ぶには不思議な構造で、腺体に囲まれて雌蕊があり、授粉すると白毛が密生した子房が大きくなっています。写真の子房でも大きさは1ミリ強でしょうか。先端に花柱が残っています。その手前の花にある黒っぽいのが伸び始めた雄蕊です。花らしからぬ姿の花なのですが、それでも虫媒花だそうですから、これもまた驚きです。
次は、初めて紹介するヤハズソウ(矢筈草)。大きさは5ミリくらいですが、色のせいなのか、それとも花のつき方のせいなのか、結構目立ちます。明らかにマメ科の花です。果実は小さな鞘で、中に入っているのは一粒ですから、あまり豆らしくはありません。
匍匐型や踏まれ強い草が続いたので、今度は直立型の花を。ツルボ(蔓穂)です。一つ一つの花は直径6ミリくらいなのですが、沢山の花が、花軸の付け根から先へ咲いてゆく総状花序(そうじょうかじょ)なので、華やかさがあります。写真の個体では、付け根の方の花はもう子房が膨らみ始めていますが、先端の方の花はまだ蕾ですから、高低差があります。
ツルボと同様、突然芝生から直立して華やかな花を咲かせる代表例は、なんと言ってもこの花でしょう。ヒガンバナ(彼岸花)です。夏が猛暑だろうが冷夏だろうが、不思議なことに、名前の通りにお彼岸の頃にきちんと開花するのは、一体どういう仕掛けが仕組まれているのでしょうか。広い緑の芝生に朱色のヒガンバナの対比が映えますね。
芝生を歩き進むと気品のある芳香が… その香りの先に浮かぶ蝶の様な純白の花。ジンジャーリリー、和名では花縮砂(はなしゅくしゃ)の花です。しばし立ち止まって香りを楽しみましょう。
香りの良い花をもう一種。キョウチクトウ(夾竹桃)です。根、枝、葉、果実、樹液、全て有毒というのですが、この魅力的な甘い香りは一体どういうことでしょう。花の香りには、広く拡散して結構離れていても香るものも多いのですが、夾竹桃の花の香は拡散性が弱いのか、近づかないと嗅げないという気がします。
いつの間にか樹の花になってしまいました。ならば、いっその事、プール棟正面の門の傍の樹木を。見上げると小さなドングリが実っているのにお気付きかと思います。お皿の部分(殻斗(かくと)と言います)が球形で、ロクロでも使ったのかと思える様なリング模様が特徴的なシラカシ(白樫)です。
東の生垣にセミの抜け殻が残っていました。アブラゼミでしょうか。脚よりも短い小さな羽の跡がありますから、あの大きな羽も窮屈にもこの殻に押し込まれていたのですね。「脱皮と羽化」と形容しますが、確かに小さく畳まれていた羽を徐々に広げてから乾かしてからこそ、ようやく成虫になるのですね。
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