情景「プールサイド」

2022/09/29

にしきぎ

正門を入ってすぐ、富士見台の手前ににしきぎが1本あります。にしきぎの色付きに気付いたのは8月も末の頃だったでしょうか、まだ暑いさ中でした。郷の本館からプールに戻る道すがら、緑一色だった葉が1枚2枚と赤く変わり始めているのを見つけて「あれ、もう・・・」と思ったものです。それから一月、彼岸も過ぎて色付く葉数が少しずつ増えているように思います。すだく虫の音を聴きながら、にしきぎはこの先全身を赤く染めていくことでしょう。庭園は秋たけなわを迎えようとしています。

 

 

にしきぎの先で、彼岸花が朱に染まっています。
(以下、柴橋さん投稿です。)

久しぶりの晴天に、赤が一段と冴えて見えました。毎年、律儀に秋のお彼岸に合わせるかの様に咲くヒガンバナ(彼岸花)です。

 

彼岸花にはアゲハチョウがよくやって来ます。細長い花被片が反り返っているので、もとよりシジミチョウなどには向いていない様に思えます。写真は、クロアゲハ(黒揚羽)。翅の裏面に赤斑が見えますが、花の鮮やかな朱には負けそうです。

 

こちらはキアゲハ(黄揚羽)でしょうか。彼岸花は、3倍体植物なので種子ができませんが、蜜は出しているのですね。何しろ、こんなに蝶が寄って来るのですから。

 

これは、明るい褐色の翅。メスのジャコウアゲハ(麝香揚羽)でしょうか。胴体の腹の色が、派手ですね。オスの体からは麝香の匂いがするそうです。

 

タマスダレ(玉簾)も彼岸花の仲間です。でも葉も一緒に出ているし、花弁も外に反っていないので、あまり彼岸花らしくありません。

 

ショウキズイセン(鐘馗水仙)も彼岸花の仲間です。見るからに黄色の彼岸花といったところです。散策路の南の端に咲いています。2倍体植物なので、こちらは結実するそうです。

 

その近くに咲くタイワンホトトギス(台湾杜鵑草)です。雄蕊と雌蕊が突き出て噴水の様に広がる派手な構造の花です。雌蕊に密生する腺毛状突起が、ちょっと不気味です。

 

センダングサ(栴檀草)がセンダンの樹下の草叢に咲いているのは、冗談かと思いました。葉がセンダンに似ているのが名前の由来だとか。でも花は見るからにキクの仲間です。

 

プールの窓からすぐ見えるアキニレ(秋楡)の木に、たくさんの蕾が出来たと思っていたら、あれよあれよという間に開花しました。花とはいえ、風媒花なので飾りっ気はなく、雄蕊と雌蕊だけの花です。じゃんけんのグーの様なと言うか、野球のグローブの様なと言うか、そんな姿が蕾の開花し始めです。葯が開いて花粉を飛ばし始めた花も見えます。雌蕊の花柱も2裂した姿を表し始めました。

 

雄蕊も雌蕊もぐんと伸びてきました。この段階では花被片と花粉を放出した後の葯の赤茶色が目立ちます。小さな花ですが、枝に多数付いているので、結構目立ちます。楡には、春に花を咲かせるのがハルニレもあり、単に楡といえば、ハルニレを指す様です。

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