情景「プールサイド」

2022/09/01

二百十日

二百十日、台風の季節ですね。遥か沖縄近海に台風11号が居座り猛威を振るっています。高気圧に行くてをはばまれ、停滞しているようですが、この後その切れ目をすり抜けて北上に転じるようです。進路が定まらず予報円はかなりの大きさ、最東端を辿れば9月6日ごろ茅ヶ崎も圏内に入りそうです。プールの水抜き清掃が控えています。どうか湘南をお避け下さいますようお願い申し上げます。今日も蒸しました。

まだ滲む汗鎮めんとプールかな

(以下、久々に柴橋さん投稿です。)

真っ白い蝶が羽を広げたような華麗な姿、そして辺り一面に漂う何ともたまらない甘い香り… 旧院長室棟の西に咲くハナシュクシャ(花縮紗)の花です。ジンジャー・リリーの名前の方がよく知られているかも知れません。ただし、生姜(ジンジャー)とは全くの別物です。見た目も香りも華麗な花ですが、花の命は短く、一日花です。萎れているのは昨日の花です。

 

華麗な白い花をもう一種。タカサゴユリ(高砂百合)です。花弁の外側にうっすらと紫色の筋が入っているのが見かけ上の特徴です。種子が風で運ばれて広がり、発芽1年目から花が咲くそうです。この写真の個体も草丈は50センチくらいしかありませんから、発芽1年目なのではないでしょうか。

 

芝が薄くなった一角に、細長い葉の植物が芝の様に茂り、大きさ数ミリの小さな淡い桃色の花をたくさん咲かせています。オオフタバムグラ(大双葉葎)の群生です。葉と同じように先端が尖った筒状の花から白い雄蕊が顔を出しています。

 

別の一角には、地面を這う様にして四方八方に広がっている、対生の葉にうっすらと斑紋のある植物が見られます。コニシキソウ(小錦草)の群生です。お相撲のあの大関を思い起こさせる名前ですが、単に、在来種のニシキソウ(錦草)に似るも、やや小振りな外来種だからというのが名前の由来だとか。

 

花は小さいので、観るには拡大鏡か接写の出来るカメラが必要です。でも花と言うには変わった花です。花弁はなく、花弁の様に見えるのは蜜腺を囲む「付属体」なのだそうです。その内側にある4つのゼリー状のものが蜜腺で、その中心部から雌蕊が3本。先端はそれぞれ大きく2裂しています。雄蕊は、雌蕊が受粉したあと、出現します。風媒花でもないのに、雌蕊と雄蕊だけです。蜜腺に誘われてやって来る蟻が受粉を助けている様です。

 

近くには、小さい乍らもはっきりした葉脈が印象的な別の植物が地面を覆っています。ヤハズソウ(矢筈草)です。葉をつまんで引っ張ると葉脈に沿って千切れて、弓弦を掛けるための矢の切れ込みである「矢筈」の様になることが、名前の由来だとか。周りを見渡すと、芝生に混じってあちらこちらに群生しています。そこにごく小さな花が咲いています。観るにはやはり拡大鏡か接写の出来るカメラが必要です。蝶形花と呼ばれるマメ科独特の形の花です。

 

同じくマメ科であるメドハギ(筮萩)が、プール棟の傍に咲いています。ハギとは言え、直立した単幹ですから、散策路を進んだ先にある萩苑に咲く宮城野萩とは印象が異なります。易占で使う筮竹(ぜいちく)の代わりに茎が使われたことから、この名で呼ばれる様になったのだとか。白地に紅紫色の斑点は目立ちます。

 

芝生に戻ると、ヒメヤブラン(姫藪蘭)が紫色の花を咲かせていました。雄蕊が片方に寄っていて、それを避けるかの様に離れて位置して、しかも反発するかの如く曲がって上を向いている雌蕊がご愛嬌です。

 

「姫」がつかないヤブラン(藪蘭)は、花茎に多数の花をつけます。まだ蕾状態でした。開花まで、もう少しです。開花したら、雌蕊と雄蕊の位置関係を確かめてみましょう。

 

近くには、ノシラン(熨斗欄)が咲いています。茎や葉が平たくて「熨斗」に似ているからとか、花が「熨斗」に似ているからとかが名前の由来とされている様なのですが、どれも全くピンと来ません。ヤブランと違って、どの花も項垂れて下を向いて咲きます。ローアングルからの一枚です。

 

この時期の太陽の郷の庭を代表するのは、やはりパンパスグラスでしょう。羽毛の様に柔らかい花穂(かすい)が日に輝いています。時折、風になびく姿は美しく、「銀葦(しろがねよし)」という和名にも合点です。

 

花穂をよく観ると、ブラシ状の雌蕊が沢山出ているのが判ります。「花穂」という表現に納得です。雌雄異株だそうなので、庭のパンパスグラスはどれも雌株の様です。

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