情景「プールサイド」

2025/06/25

夏の萩

太陽の郷の玄関ロータリーから西側に石段を下りて行くと、紫陽花がまず目に入りその先で萩が咲いています。宮城野萩です。コロナ前まで俳句のご指導をいただいていた渡辺萩風さんにいただいたのでした。萩と言えば秋を想い起こしますが、宮城野萩は二度咲き、夏のこの時期に一度目が咲きます。紫紅色に万葉の佇まいを感じたりしてちょっと得した気分、暑さも遠のいていくかのようです。プールの往き帰りに少し足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

涼風の吹くを待つかな暑中萩   一郎

 

(6/26以下、柴橋さん投稿です。)

清々しい白の萩の花も咲きました。宮城野萩の変種ということで、シロバナミヤギノハギ(白花宮城野萩)と呼ばれている様です。紅白の萩が揃い踏みです。

 

ハギと同じマメの仲間のミヤコグサ(都草)が芝生の中に咲いています。マメ科の花は、「蝶形花」と呼ばれる独特の形状をしています。大きな上側の花弁である「旗弁」2枚、左右の花弁である「翼弁」2枚、下側の花弁である「竜骨弁」が1枚で、雄蕊と雌蕊は竜骨弁に保護されています。ところが、ミヤコグサでは竜骨弁が袋状になっている様で雄蕊も雌蕊も外からは見えません。自家受粉なのでしょうか。予てからの疑問です。

 

全身葯の如き雄蕊と、緑の鼻を突き出した様な雌蕊が印象的な、可憐な花なのですが、これぞ悪名高きワルナスビ(悪茄子)です。ワルとあるだけあって、全草有毒だそうです。しかも茎にも葉にも鋭い棘があるので、うっかり手は出せません。葯の先端には、そこから花粉が放出される2個の開口部が見えます。

 

ナンキンハゼ(南京櫨)の蕾が伸びてきました。雌雄異花なのですが、花序には、雄花だけから成る花序と、雄花の付け根に雌花を付ける花序の2種類がある様です。先ず伸びるのは雄花だけの花序です。蕾の状態が一番美しく映える花序です。

 

咲き始めた雄花です。雄花は、この様に、大きな葯を持つ雄蕊を突き出すだけの飾り気のない花ですし、雌花もまた飾り気のない花なので、その容姿からは風媒花かと思えるのですが、見かけによらず、虫達がよく集まる虫媒花の様です。蜂蜜を作る蜜源だそうですから、見かけで判断してはいけませんね。

 

ナンキンハゼの名は「中国のハゼノキ」の意味ですが、ハゼノキ(櫨の木)とは全く異なる植物です。ただ、両方とも、昔は蝋を採るための樹として使われていたのだとか。ハゼノキは、花期も終わり、今は若い果実となっています(勿論、結実しているのは雌株だけです)。

 

何やら場違いな感もするのですが、真紅のバラ(薔薇)が二輪、草叢の中に無造作に。

 

スイバ(酸葉)やヒメスイバ(姫酸葉)を、夫々、先々月と先月にご紹介しましたが、両者ともタデ科ギシギシ属に分類される植物。そのギシギシ(羊蹄)そのものがこれです。既に花期は終わり、果実となっています。その周りに残った花被片を食するこの芋虫は、「蓼食う虫」の一種と言って良いでしょう。橙色の頭に単眼が二つの、愛嬌のある姿です。グーグルで調べると、ハグロハバチ(羽黒葉蜂)の幼虫の様です。「葉蜂」とは、幼虫期に植物の葉ばかりを食するベジタリアン蜂の総称です。ハグロハバチの幼虫はギシギシで発生し成長するのだとか。生まれつきの「蓼食う虫」です。

 

エノキ(榎)の花は、見るからに風媒花でした(2025/04/09)。その果実は着実に成長中です。この写真、葉が左右互い違いに配列(互生)しているのがよく分かります。

 

お終いはこれ。さぁて、この一つ目小僧は何だとお思いでしょうか。答えは … クスノキの幼果(と言うより、寧ろ幼果になりかけ状態)です。あれほど沢山咲いていたのに、結実率はとても低く、実になっている花は数える程しかありません。とは言え、花の数が多かったから、今はそういう印象でも、秋には熟した実の数にまた驚くかも…

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