情景「プールサイド」

2025/05/14

西浜小学校2年生春の庭園観察

西浜小学校の2年生が、南湖院記念太陽の郷庭園の観察に来るようになって5年目になります。今年も5月9日(金)、新2年生100名ほどが、春の庭園観察と銘打って先生方の引率でやって来ました。庭園の手入れをする植栽担当が、芝庭に出たたくさんの山野草を刈らずにおいてくれ、観察には打って付けです。初めに咲き競う花々のお話を少ししてあげて観察の開始、子らは一斉に庭に散りました。「この花なあに」と尋ねながら、用意してきた観察シートに思い思いの草花を一心にスケッチしていました。小1時間の観察を終えて、摘んだ花や木の実などの収穫物を手に意気揚々と庭園を後にしました。観察は夏秋冬と続きます。皆がまた来てくれるのがとても楽しみです。

 

(5/15 以下、柴橋さん投稿です)

ナデシコの仲間、マンテナが咲き始めました。花は直径約1センチと大きくはないのですが、花弁の深紅色の斑紋と萼筒の縞模様が印象的ですし、集団で咲いているので、結構目立ちます。不思議な名前は江戸時代末期にヨーロッパから渡来したとき以来の名称だそうで、漢字表記はありません。

 

ハタケニラ(畑韮)の白くて可憐な花の姿は、確かにニラの花に似ています。けれどもニラの仲間ではないそうで、ニラ臭もしません。花の姿は区別が容易なのにニラの仲間とされるハナニラ(花韮)が、強烈なニラ臭を放っているのとは好対照です。

 

畑韮とは同じくらいの背丈、花の姿も似ているノビル(野蒜)は、零余子(むかご)をつけて繁殖します。そこに、ムカゴと同系色の小さな虫が。ツユムシ(露虫)の幼虫の様です。成虫は黄緑色のバッタですが、生まれて直ぐの幼虫はこんな姿。保護色となる植物を選ぶのは本能なのでしょうか。最初の脱皮で緑色に変身、以後脱皮繰り返して成虫になるそうです。

 

近くにヒメスイバ(姫酸葉)が咲いていました。雌雄異株でこれは雌株。茎から細い花柄(かへい)で吊るされた大きな萼に小さな赤い花、そしてそこから伸び出る糸状の柱頭。先々週紹介したスイバ(酸葉)を細身且つ小型化した様な容姿からこの名前なのだと思いますが、似ているとは雖も、比べてみれば違いはお分かりかと思います。

 

違いは、寧ろ、雄花の方が分かり難いかも知れません。実物を見れば、大きさで区別は付くものの、写真で見る姿は相似形と言えるほどに似ているからです。

 

姫酸葉の穂の先端に停まっていたのはナナホシテントウ(七星瓢虫)の幼虫。今は黒地に橙色の紋ですが、あと一乃至二週間で成虫になると、逆に橙地、若しくは赤地に黒紋へと変身するのですから面白いものです。

 

旧院長室棟の南に柿の木が見られます。和菓子の練り切りであるかの如き、繊細な色の勾配と凹凸を配した精巧な仕上げには、蟻も惹き寄せられたのでしょうか。雄花の蕾です。雌花は見つかりません。

 

旧第一病舎南の芝にも柿の木が。こちらの木は雌花ばかり。そこで柿は雌雄異株だと思ったのでしたが、色々な解説を読むとその殆どに「柿は雌雄同株の雌雄異花」と記述してあります。合点がいきません。でも「品種によっては雌雄異株」という説明のある解説もあります。そこで一度は合点するのですが、「富有柿など多くの品種は雌花しかつけないが、受粉せずとも結実する『単為結果性』を持つので一本でも結実する」といった解説もあります。「雌花のみを咲かせる株」というのが雌株の定義だと思っていたので、これでは多くの品種には雄株がないことになり、この説明には珍紛漢紛です…… と思って更にネット検索をすると、富有柿の木に驚いたことに雄花が咲いた!という写真入りの記事が見つかりました。富有柿が雌雄同株であるということには納得しましたが、未だ色々と消化不良です。ところで、写真の雌花の大きな萼、これがそのまま柿の実の蔕となります。

 

パンパスグラスに絡むアケビ(通草)の蔓の先端に、予想だにしなかった得体の知れない生き物の不気味な動きに、思わず足が竦んでしまいました。心を落ち着かせてから観察してみると、妖艶なまでに体を婉転させた一匹の白い芋虫でした。何対もの太い腹脚で蔓にしがみ付きながら、短い手(?)で若葉を哺乳瓶の様に抱えながら貪っています。何とも可愛らしい!調べてみると、アケビコンボウハバチ(通草棍棒葉蜂)の幼虫の様です。成虫は肉食の蜂なれど、幼虫はアケビの葉(ばかり)を食するのでアケビと冠せられ、ハバチ(葉蜂)と名付けられているのだとか(棍棒が何を指しているのかは不明の儘)。

 

アケビを愛おしく抱き締めているかの様な仕草… まぁ単に貪っているだけなのでしょうが… 好物である萌え出たばかりの若葉を求めて蔓の先端に攀じ登って来たまでは良いけれど、無防備となったその身が鳥達の格好の餌食として狙われなければ良いのですが…

 

 

 

お問合せ

  • TEL:0467-83-8274
  • アクセス(送迎バスあり)
  • webからのお問い合せ

ページトップへ