情景「プールサイド」

2022/10/27

野菊

「野菊の墓」(伊藤左千夫)の野菊は何だろうと、想像してみました。先週、野菊の解説にあったノコンギクが相応しいような気がしますがいかがでしょうか。
物語で、政夫と民子は母のはからいで二人だけで山畑に綿摘みに向かいます。道すがら政夫は野辺に咲く野菊を民子に採ってあげ、「民さんは野菊のような人だ」と話しかけます。この場面を政夫は「真(まこと)に民子は野菊の様な児であった。民子は全くの田舎風ではあったが、決して粗野ではなかった。可憐で優しくてそうして品格もあった。厭味とか憎気とかいう所は爪の垢ほどもなかった。どう見ても野菊の風だった。」と述懐するのでした。
野菊には、ノコンギクの他にヨメナ、シオン、ノジギクなど多種あるようですが、いずれも穏やかさの中に和の気品とでもいうようなものを感じます。民子のお墓は政夫の手で野菊いっぱいに飾られたのでした。


プール棟の北西に咲いています。

 

(以下、柴橋さん投稿です)

東側の生垣に長い期間あれだけ沢山の花を付けていたからには、植栽を逃れて結実したものが少しはある筈、と固く信じて、やっと探し出しました。テイカカズラ(定家葛)の果実です。一対の隠元豆の様な姿をしているのは意外でした。

(よく見つけてくれました)

 

同じく、生垣にあれだけ沢山咲いていたのだからと思って探したら、ありました、ありました。スイカズラ(吸い葛)の果実です。予想通り、花と同様、2つずつ並んでいました。

 

正門正面のニシキギ(錦木)の果実です。葉と同じく、鮮やかな赤です。皮が弾けて中の実が露出するのも時間の問題です。明日か明後日か…

 

正門右手のコマユミ(小檀)の果実は一足先に熟れて、鮮やかな赤い実が現れました。

 

先週に引き続き、コスモスの中心部の筒状花を追っています。先週の写真よりもはっきりと☆の形を捉えられたのではないかと思います。それにしても、子供の時分から親しんでいたコスモスの中心部が☆の形の花だったことをこの齢になって初めて気が付くとは… 年齢に関わりなく、新しい発見には心躍ります。

 

☆の花の首も長くなり、雄蕊に代わって雌蕊が伸びています。自己受精を避けるためなのでしょう、同時には出ない巧みな仕掛けになっている様です。

 

コスモスと同じくキクの仲間である、ツワブキ(石蕗)が咲き始めました。中心部の筒状花を早速比較して見ました。明らかに☆ではありません。花弁の先ははっきりと5つに分かれており、反り返っています。雌蕊の柱頭も大きく反っていて、これもコスモスとは違います。

 

コスモスほどには首を伸ばさない様ですが、雄蕊が役目を果たしてから雌蕊が出てくるところは同じの様です。

 

いつのまにか、ナンキンハゼ(南京櫨)の果実が黒くなり、その果皮も割れて、中から白い種子が現れるようになりました。1つの果実から3つの種子が現れるのが多いのですが、この個体は4つの種子ですね。

 

この時期、シジミチョウをよく見かける機会が多いと感じています。これはヤマトシジミ(大和小灰蝶)。大人しく写真に収まってくれました。擬瞳孔もはっきり写っています。

 

こちらはベニシジミ(紅小灰蝶)。これも大人しく写真に収まってくれました。いえ、正直に言えば、今回は、休止状態の画像しか満足のいく写真は撮れませんでした。光の関係からか、擬瞳孔ははっきりしません。

 

一昨日25日の火曜日の朝、一晩で富士山が白い雪を被った姿に変わっていたのには驚きました。しかも一日中曇天であったのにも拘らず、雲が高かったからなのでしょう、富士山、箱根の山々、伊豆半島まで一日中くっきりと見えました。午後には逆光になって雪姿がシルエット状になるのが常なのに、曇天なのに見通しの良いこの日は、この様に夕方まで雪姿をはっきりと見ることが出来ました。見慣れない不思議な光景でした。

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