2025/04/30
金雀枝(エニシダ)が二株、芝生の東西で咲き競っています。青さを増してきた芝生に黄が映えます。金雀枝の開花は下から上に進むのですね。下部で黄がほころび掛けたのが4月10日頃、3週間ほどで満開になりました。西の金雀枝から遊歩道を南に進むと山吹が咲きこぼれ、更に南に行くと鬼田平子の群落が私たちも見に来てと言いたげです。踵を返して芝生に戻ると、そこには待宵草がちらほら出はじめています。黄色の花めぐりなどいかがでしょうか。
(5/1 以下、柴橋さん投稿です)
芝生一面に小さな黄色の花、コメツブツメクサ(米粒詰草)の花が咲いています。殊に散策路に沿った縁では明瞭です。寧ろ、コメツブツメクサの一面に芝生が混ざり込んでいるかの様です。
遠目には一つの花の様に見えていますが、近寄って観ると、小さな蝶形花が20個くらい球状に集まっていることが分かります。シロツメクサ(白詰草)に似た構造ですが全体に小さいことから名前に「米粒」を冠せられたのでしょう。
コメツブツメクサの群生の写真、よく観ると黒っぽい柱状のものが写っています。そこで接写してみたのがこの写真。芝、正確にはノシバ(野芝)の花です。これも小さな花が多数の総状花序になって、遠目には一本の茎の様に見えます。それぞれの花からブラシ状の雌蕊だけを出しているのが分かります。先ずは雌性期の花という訳です。
数日経つと、こんな姿に。雌蕊は茶色く萎れて枯れてしまい、代わりに葯をつけた雄蕊が登場。雄性期の花に転換です。一つの花での雌雄転換、スズメノヤリ(雀の槍)でもそうでしたね。
そのスズメノヤリ、結実してこんな姿になりました。これなら繁殖力が強いのも当然でしょうね。一方、シバの方はというと、結実率は極めて低く、結実しても実から育つ率も極めて低いのだとか。種からではなく、地下に這う根茎から増えていくのが芝の増殖法なのですね。
雌雄異株であるスイバ(酸葉)。紅赤の穂となって咲いているのが雌花です。個々の花は微妙な色の勾配を持ちつつ鮮やかな色の糸状の塊になっています。三本の柱頭の先が多数の糸状になっているのです。糸の密度によっても色の濃淡を生じさせています。
こちらの雌株は花を終えて幼果となりつつある段階です。平べったい団扇の様な印象ですが、よく観るとそんな団扇が三枚合わさっています。花柱が三本あったということですね。そんな団扇をヤブキリ(藪螽蜥)が齧っています。カメラ目線で睨んでいる様に見えますが、これは複眼だからで、カメラ方向の個眼だけが瞳の様に見えているだけです。その証拠に、瞳が左右平行ではないですよね。
こちらは雄株。吊り下げた葯を守るかの如くに六つの花被を恰も笠の様に大きく広げて、それら自身が糸の様に細い花柄で多数ぶら下がっています。風媒花ですが、風に揺れて花粉を飛ばし易い様にぶら下がり構造になっていることと、花笠が装飾にもなっている点が、他の風媒花とは一味違う特徴でしょうか。
もう少し花らしい花を。プール準備棟入口傍に咲く純白の小さな花、シロノヂシャ(白野萵苣)。濁点抜きだとチシャなので、カナ表記はジシャではなくヂシャです。花の大きさはキュウリグサと同じか寧ろ小さいくらいなのですが、色が純白であることと、纏まって咲いているのとで、それほど小さいとは感じさせません。因みに、「萵苣」とはレタスの和名だそうで、シロノヂシャの葉も食べられるということです。
純白の花をもう一つ。立浪草ですが、紫色のものと区別するために、シロバナタツナミソウ(白花立浪草)と呼ばれている様です。高波が崩れて立つ白波を思い起こすのが名前には相応しいのでしょうが、この写真からは、猫が前脚高くジャンプしている姿を連想してしまいました…。
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