情景「プールサイド」

2023/06/15

恋のしずく

この時節、どこからともなく「恋のしずく」が聴こえてくるような・・・

♬肩を濡らす恋のしずく
ぬれたままでいいの このまま歩きたい
きっとからだの中までしみるわ
そしてあなたのあなたの言葉を
忘れないようにしたいの

歌うのは伊東ゆかり、作詞安井かずみ・作曲平尾昌晃でした。1968年1月の作ですから、私は就職を控えて、杜の都仙台で準備に勤しんでいたことになります。青葉通りの欅並木を濡らす雨風情が偲ばれます。今日も雨、こんな日はそっと手を休めて雨読を決め込むのは如何でしょうか。

ねじ花や螺旋に落ちる雨しずく

 

(以下、柴橋さん投稿です。)

アカメガシワ(赤芽柏)の花は不思議です。雄花は、以下に示す写真や先週の写真でお分かりの様に、花弁もなく雄蕊を半球状に広げているだけですから、風媒花かと思ってしまいます。ところが一方、アカメガシワは、サクラとともによく代表例として挙げられる、花外蜜腺のある植物です。そのことを示すのがこの写真。葉の基部に蜜腺が2つあり、その1つで蟻が蜜を舐めています。

 

雄花自身も、飾り気はないにも関わらず、爽やかなれども鋭角的な香りを漂わせています。実際、花蜜も出している様で、ミツバチ(蜜蜂)が飛び交っています。確かに、アカメガシワの蜂蜜というのがあります。今度試してみよう… あれ、ミツバチの脇に大きな瘤が… 花粉団子です。集めた花粉を後ろ足の脇に丸めて巣に持ち帰るのでしょう。

 

アカメガシワに引き寄せられるのはミツバチばかりではありません。想像もしなかったこんな意外な虫も… ワラジ虫です。

 

見事な空中静止、ホバリング、で蜜を吸うのは、スズメガの一種のオオスカシバ(大透翅)です。目はメジロ、長くピンと張った触角、そして巧みに蜜を吸う長くて柔軟な口吻… それに空中静止からの急発進に急旋回、実に見事なものです。

 

ホバリング中のオオスカシバを背中側から。名前の通り、翅は透けています。この写真はシャッター速度1/200秒で撮ったのですが、それでも翅はブレていますから、毎秒200回以上の高速羽ばたきなのですね。なのにブレない体幹の強さ、色鮮やかな縞模様の胴体に海老の尾鰭の様な腹端も印象的です。

 

カマキリ(蟷螂)の幼虫がアジサイ(紫陽花)の花に。寄って来る小さな虫を餌にすべく構えているのでしょうか。前脚を掲げてファイティングポーズというか睨めっこ… といっても偽瞳はこちらに、カメラ目線です。幼虫なので、まだ翅が生えていません。

 

別のウズアジサイ(渦紫陽花)の蕾の縁から、いえ正確には萼から、アリマキを引き上げようとしているのか、あるいは中に潜り込ませようとしているのか、蟻が奮闘中です。こうした小さなアリマキなどがカマキリの幼虫の餌食となるのでしょうか。

 

アカメガシワの花同様に飾り気がないマテバシイ(馬刀葉椎)の花も、風媒花の様な見掛けとは異なり、実(じつ)は虫媒花です。実際、独特の匂いを漂わせています。何やら蟻が一心不乱の様子… 蜜を集めているのでしょうか。そういえばマテバシイの蜂蜜というのを見つけました。これも試してみたくなりました。

 

コガネグモ(黄金蜘蛛)が巣を張っていました。前2対と後ろ2対の足を揃え、「X」字状になって身構えています。その前足の延長線上にアルファベットによる広告の様な白いジグザグ模様が。はて、その機能や目的には諸説あるようですが、あまりハッキリとはしていない様です。

 

こういった虫達を食しているのか、はたまた、草の実や種子をつついているのか、芝生には数多くのムクドリ(椋鳥)が賑やかでした。飛び立った後を見ても、一体何をつついていたのか、結局、判然とはしませんでした。

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