情景「プールサイド」

2021/06/03

五月晴れの下

梅雨前線が南海上に押し下げられると夏の陽ざしが照りつけます。梅雨晴れです。高気圧は大陸育ちでしょうか、日なたは暑さを感じるものの、透き通った青空の下爽やかな風が心地いい。柴橋さんが私も私もと次々に顔を出す夏に向かう花々を見事に捉えてくださいました。まだまだあるのですね。

 

(以下、柴橋さん投稿です。)

梅林に向かう散策路沿いに白百合の様な花を咲かせているのは、アフリカハマユウ(アフリカ浜木綿)です。歴史的事情から、インドハマユウ(印度浜木綿)とも呼ばれていることもある様です。花茎からの独特な優雅な曲線美が素敵です。花の命は短く、一日花なので、翌日には萎んでしまいます。

薄紅色のものもあります。白とは時間帯が違うのか、昼間は萎んでいることが多かったので、写真に収めるのに苦労しました。開花を知らせて下さったTさんに感謝です。

近くに珍しい白いカタバミの花を見つけました。花弁がやや細く、葉も心臓形というより三角形に近いので、シロバナイモカタバミ(白花芋片喰)の園芸品種である様に思います。

赤紫のハギ(萩)の花が咲き出したのには驚きました。漢字は草冠に秋ですし、いくら何でも早すぎだろうと思ったのですが、夏前に咲き出すこともあるのだとか。マメ科らしい独特の蝶の様な形の花です。散策路から少し入り込んだところです。

 

(この萩(宮城野萩)は、毎年夏と秋の2度咲きます。それにしても今年は少し早い様に思います。昨年「郷だより」秋号を飾ったのもこの萩でした。)

(雨上がり夏萩楚々と咲きにけり)

ミニトマトの様な美しい朱色の肉厚のカプセルが蕾なのだと気付き、新鮮な驚きを覚えました。カプセルの先端が少し裂けると中に丸め込まれていた花弁が徐々に出て来て広がって開く様子は、さながら手品をスローモションで見ている様です。肉厚のカプセルはそのまま萼の役目を果たします。ザクロ(柘榴)の花です。

(ザクロと暫し会話の姿、遠くより拝見していました。これでしたか、驚きですね)

八重咲きのドクダミ(毒矯み)の花です。白いドレスをまとった貴婦人の様、と表現した方がいました。でもドクダミですから、繁殖力は強いものと思います。

(これはむしらず大事に。)

北側境界近くのマテバシイ(馬刀葉椎)が一斉に穂状に花を咲かせ始めました。雌雄別々の花が同じ樹に咲きます。花といっても花弁はなく、穂に密に並ぶ雄花は沢山の雄蕊をニョキニョキと伸ばしているだけです。これが遠目には穂をヒゲ状に見せています。

雌花はもっと目立ちません。やはり花弁はなく、いくつかの穂の付け根に少しの膨らみと短い花柱を出しているだけです。雌花のついた穂の先にも雄花がついていることもあって、ますます目立ちにくくなっています。

マテバシイの実は、いわゆるドングリです。花穂に小振りな実がついているのを見ると、もう結実したのかと思うかもしれませんが、これは昨年の実です。マテバシイの実は熟すのに一年半を要し、咲き終わった翌年の秋にようやく熟してドングリになります。待てば椎になるからマテバシイと呼ばれるという説があるくらいです。

(昨年の結実が今年のドングリとは・・・)

アメリカデイゴ(亜米利加梯梧)の花のカプセル状の蕾が、細い茎で支えられて、太い茎から突き出ています。色も緑色から少し赤みを増してきました。先端がわずかに口を開き、そこからカプセルの中の花弁が覗いています。沖縄の花であるデイゴとは違い、南米原産の外来種で、海の向こうから来た紅い豆類の樹ということからカイコウズ(海紅豆)と呼ばれることもある様です。茅ヶ崎駅南口のバスロータリーで馴染まれている方も多いのではと思います。

あちらこちらでネズミモチ(鼠黐)が白い小さな花を多数つけています。樹全体がモチノキに似ていて、秋に熟す果実がネズミの糞を連想させるから、こう呼ばれるとか。花自身からはネズミを連想することなど出来ません。

アカメガシワ(赤芽柏)の花が咲き始めました。雌雄別株で、この木は雄株です。春になって裸木状態から出てきた若芽が赤いことからアカメガシワと呼ばれますが、今のこの時期にはもう変哲のない緑の葉になっています。花弁もなく、雄花は雄蕊を多数伸ばしているだけなのですが、逆光に輝く様子はそれはそれで美しく印象的です。

四月初め、赤い葉が出始めた頃のアカメガシワです。

東の生垣沿いのムラサキシキブ(紫式部)の樹が、小さな花を咲かせ始めました。葉の腋から淡い紅紫色の花が集まって咲いています。雄蕊雌蕊ともに長く突き出ています。秋には紫色の丸い果実をつけることでしょう。個体差なのか、白い花を咲かせている幹もあります。果実は同じ様に紫色になるでしょうか。

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