情景「プールサイド」

2021/06/10

紫陽花の頃

旧暦五月は今の6月に当たります。五月雨(さみだれ)はこの時期に降る長雨(梅雨)のこと、そして五月晴れ(さつきばれ)は梅雨の合間の晴天のこととか。
少し前の雨降りに誘われたかの如く紫陽花が七色に変化しながら時を彩ってくれています。五月雨にも五月晴れにもお似合いですね。

♬紫陽花の頃が過ぎ心寂しい季節が来る・・・、ふとアリスを口ずさんでいるのでした。

 

(以下、柴橋さん投稿です。)

ノウゼンカズラ(凌霄花)の蕾に蟻がいっぱい集まっています。蜜腺は花にあるのが普通ですが、花以外にも蜜腺がある場合もあります。ノウゼンカズラにはどうやら蕾にある小さな粒が蜜腺の様です。

ナンキンハゼ(南京櫨)の葉に、何かが成虫へとなった後のサナギ(蛹)が残っていました。そこから成虫が抜け出たのか、どれも先端に口が開いていますが、不思議なことに、まるで切り口線がついていたかの様に、ほぼ同じ大きさの蓋が残されています。葉の付け根にある二つの小さな突起はナンキンハゼの花外蜜腺です。

旧南湖院第一病舎傍のサンゴジュ(珊瑚樹)の小さい白い花が咲き始めました。秋に赤く熟す実を珊瑚に見立てて、こう呼ばれるとか。5本の雄蕊を元気よく突き立てています。

南米原産のアメリカデイゴ(亜米利加梯梧)が紅い花を咲かせ始めました。マメ科の花なのですが、フジ等の他のマメ科の花では上の花弁が大きくて、雄蕊雌蕊はその下から上にくるりと巻き上がるのに、アメリカデイゴは、逆に、下の花弁が大きくて、雄蕊雌蕊は上から下に垂れています。Mさんが、それはこの花が南半球から来たからですよ、と迷怪な説明をして下さいました。

ツユクサ(露草)は北半球の花です。雄蕊は上と下にひと組ずつ見えますが、複雑な形状をした上のひと組は花粉を出さない、見せかけの雄蕊だそうです。

まるで沢山の手毬の様な蕾の集まりです。何の花でしょうか、わかりますか?

これが開花した花です。正解は… 、ガクアジサイ(額紫陽花)です。この集団の周りに咲く装飾花を額縁に見立てて、こう呼ばれています。全てが装飾花なのが普通のアジサイで、ガクアジサイはその園芸種として交配されたのかと思いきや、逆で、ガクアジサイこそが原種で普通のアジサイの方が後から作られたのだとか。知りませんでした。

装飾花の大きな花弁の様に見えるのは、実は萼が発達したものとよく説明されます。そのことが良く判るのは、雄蕊も雌蕊も退化した装飾花がほとんどの中で、花がついた装飾花を見つけたときです。

芝生の間から伸び立つネジバナ(捩花)です。直立した茎に、小さな淡紅色の花が、文字通り、捩じれながら咲いています。捩れの向きが気になりますが、右巻き左巻きほぼ1対1だとか。

ランの仲間だそうです。確かに、近づいて個々の花を観察すると、納得です。

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