情景「プールサイド」

2021/12/02

今年も師走となりにけり

師走が嵐と共に明けました。嵐の後、昨夜は星空がよく見えました。10時ごろ、オリオンが南東の空に。その赤星ベテルギウスとおおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンで作る冬の大三角がまばゆいばかりです。北に目を移せばカシオペヤが淡く輝く。五つ星のMの両端の直線を延ばした交点からMの真ん中の交点を結んだ直線をたどると・・・、ありました北極星です。ベテルギウスは640光年、北極星は430光年とか。果てしない宇宙に想いを馳せながら、そっと耳をそばだてると聴こえてくるのです、♫木枯らし途絶えてさゆる空より・・・。

初冬を迎えて、郷の庭にはまだまだいろいろな結実が見られるようです。

 

(以下、柴橋さん投稿です。)

マンリョウ(万両)の果実が赤く艶やかに熟しました。濃緑色の葉との美しい色の対比を見せています。葉の縁は丸い波状の鋸歯になっていて、鋸歯と鋸歯の間が鋲打ちされたみたいな様相になっています。

隣には、キミノセンリョウ(黄実千両)が。赤い実をつける普通のセンリョウとは異なり、黄色の実をつける種類です。万両の実が垂れ下がっているのに対し、こちらは上向きに実をつけるので、万両は重く千両は軽いとの発想から、この名になったとか。なぁるほど。

傍のヤブラン(藪蘭)の実は、黒く艶やかに熟しました。

その傍にはサオトメバナ(早乙女花)の実が鼈甲色に輝いています。更に熟して美しい黒柿色となった実の写真は、ひと月ほど前にご覧頂きました。

更に、ノシラン(熨斗蘭)の実です。マンリョウ〜サオトメバナの実はほぼ同じ大きさで球形ですが、こちらはそれより少し大きめで、形もやや楕円球です。旧第一病舎北側では、数メートルの範囲に色とりどりの実が楽しめます。

南側では、ひと月前は美しい赤紫色だったシャリンバイ(車輪梅)の果実が黒く艶やかになりました。

その並びのトベラ(海桐)の果実は三烈し、中の赤い実は残っていませんから、鳥が啄んだのでしょう。実を果皮に粘着させていた突起構造だけが生々しく残っています。

鳥たちに啄ばまれて種子を広げるのではなく、タンポポなど、風を利用して種子を飛ばす植物もあります。菊の仲間、ヤクシソウ(薬師草)もそういった野草です。満開の花と、飛ぶ準備完了状態となった姿とが隣り合っていました。やや膨らんだ細長い果実のてっぺんから広がる純白の冠毛には自然の造形美を感じさせられます。満開の花の方はと見れば、キク科に特徴的な筒状花はなく、舌状花だけから成っています。両掛の鮎針の様というか、牡羊座の記号の様な柱頭が印象的です。

同じキクの仲間、ツワブキ(石蕗)の花と比べてみました。こちらも牡羊座の記号の様な柱頭が印象的ですが、舌状花は周辺部に限られ、中央部は筒状花になっていることが明瞭です。

霜の降りた朝かと思わせる様な、アラゲハンゴンソウ(荒毛反魂草)の集合果です。これも同じくキクの仲間ですが、花を終えた後の中央部の筒状花の花床は、松笠の様に、鱗片を重ねた美しい姿となっています。イチゴのような形状で項垂れている清楚な姿の上、鱗片の先端の白毛のせいで、さながら霜のついた様な姿に見えます。一見、鱗片が果実なのかと思ってしまいますが、本当の果実は鱗片に挟まれながら隠れています。同じキクの仲間と雖も、それぞれ異なる色々な美しい形態があるのですね。

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