情景「プールサイド」

2021/02/08

春待つ木々たち

葉を落とし、あるいは実を啄まれて裸木となった冬の木立は、寒風にじっと耐えながら来るべき春にしっかりと備えています。健気に、そして逞しく冬を生きる郷の植物の姿を柴橋さんのファインダーが追いました。

 

プールの大きな窓から、水仙が華やかに咲いているのが楽しめます。ヤエザキニホンスイセン(八重咲き日本水仙)です。

 

(陽だまりに水仙の素と咲くを見る)

ツワブキ(石蕗)の花が、やや薄茶色に色づいた柔らかな綿毛の球になりました。竹製の耳掻きに付いている梵天にそっくりです。もう直ぐ、春風に乗って種が広がります。

横から見ると、種の一つ一つに沢山の綿毛が縛り付けられているかの様な構造になっているのが分かります。それぞれの種が別々になって風に散って行くのですね。

 

(晩秋に、郷のそこここに咲くツワブキの植生の一端ですね)

すっかり葉も実も落ちた枝の切り口に、何やら得体の知れない、灰色の黴の様な奇妙な虫が、… 。と思わせる様な姿は、センダン(栴檀)の冬芽です。切り口の様に見えるのが、葉が落ちた痕(葉痕)です。

首を伸ばした動物の姿の様に見えるのは、センダン(栴檀)の冬芽と葉痕が成す造形です。ヨーロッパのゴシック様式の大聖堂によくある、怪獣の姿をさせた石造りの雨樋(ガーゴイル、嘴(ひはし))にそっくりです。

一転して、こちらは擬宝珠の様な、ハゼノキ(櫨の木)の冬芽です。先端部にのみ、少し毛があります。

常緑広葉樹にも冬芽は見られます。プール棟に面した門の脇に生えているスダジイ(すだ椎)の冬芽は、鱗模様が鮮やかです。

鱗模様の縁取りがはっきりした赤茶色の冬芽は、秋に鮮やかな紅葉を楽しませて呉れた、枝に翼が残っている、ニシキギ(錦木)です。写真では大きく見えますが、実際の大きさは2ミリくらいです。

枝先に集まった葉の中心部に一見して目立つ、鱗模様が大きな、タブノキ(椨)の、大きな冬芽です。今の時期、太陽の郷の庭では、あちらこちらに多く見られます。

トベラ(海桐)の冬芽。真ん中に大きな芽があり、周りを小振りな芽が囲んでいます。

ビワ(枇杷)の冬芽は、褐色の綿毛に包まれています。とは言え、モクレンの様に優雅な毛皮を纏ったといった感はなく、綿埃に塗れた感じと言ったら言い過ぎでしょうか。葉の裏側も産毛の様な短い毛に覆われています。

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