情景「プールサイド」

2023/03/16

椿

椿がたくさんの花を咲かせています。椿と言えば都はるみのあのうなり節が聴こえてくるような・・・。そう、”アンコ椿は恋の花”

♫三日遅れの便りをのせて 船がゆくゆく波浮港
・・・
伊豆大島を代表するこの花をモチーフに、星野哲郎(作詞)、市川昭介(作曲)、都はるみが悲恋を見事に歌い上げたのでした。全身を震わせ、ある時は語りかけるように、張りのある高音域を高らかに、そしてクライマックスの唸りと他に類を見ない歌い手は、この歌で第6回日本レコード大賞新人賞を受賞しています。

落花が枯芝に正円を描いて樹形を投影するかのようです。芝も緑を覗かせるようになり、間に間に春を彩る草花が私も僕もと顔を出し始めました。今朝は庭園の北寄りで神代曙が一輪弾けていました。

 

(以下、柴橋さん投稿です。)

プール棟東側外壁、屋根にも達せんとする高さで華麗に咲く白い花々、クレマチス・アーマンディ。ここに植えられた詳しい経緯がきっとあるのだろうと推察します。

(東壁のブーゲンビリア、クレマチス、ハーデンベルギア、コエビソウ、ノーゼンカズラ等々、全て緑を大事にする準三先生の選定です。壁に這わせる目的で樹高10mに達するクレマチスアーマンディにたどり着いたように思います。2年前の屋根外壁改修工事の時、足場架けでこのクレマチスが根元から切られ、焦りました。でもなんとか復活してこの勢い、強い木なのですね。)

 

目の高さにも、こんな素敵な蕾が。開花が楽しみです。

 

プール棟西側にツクシ(土筆)が出ていると、Sさんが教えて下さいました。白っぽい亀の甲模様の境界線が薄緑なのは、隙間から胞子嚢が見えているからです。

 

翌日、亀の甲模様の胞子嚢床が少し開きました。右側が一部、青カビに覆われたかの様になっているのは、胞子脳から胞子が出てきたからです。

 

さらに翌日、胞子嚢床が開いているのは、胞子が全部出ていった後の姿です。

 

プール管理棟西側、水仙が綺麗に咲き揃う先の芝からぴょんぴょん突き出ている草が。スズメノヤリ(雀の槍)です。尖ってもいないし槍らしくない、と思われるかもしれませんが、大名行列での毛槍になぞらえているのだとか。納得です。

 

その頭の部分がこれ。ひょろひょろと伸び出ているのが雌蕊です。3本で1セットの花の集まりです。雄蕊は未だ現れていません。先ずは雌蕊だけの雌性期の花として過ごし、次に雄性期の花へと移ります。

 

昨春は桜の樹の下で見つけて珍しい花と思ったのでしたが、今春は目が慣れたせいか、一旦見つけると次々とあちらこちらで目につきます。プール管理棟入口傍にも見られます。フラサバソウです。日本植物目録を発表したフランシェとサバティエに由来している名前だそうです。リクリュウなどと同じ方式ですね。

 

極小の花をもう一つ。ミチタネツケバナ(道種漬花)です。種籾を水に漬ける頃に花が咲くのでこの名なのだとか。花柱が伸びて種子を包み入れた鞘となります。

 

極小の花をさらにまた一つ。キュウリグサ(胡瓜草)です。中心部に黄色の副花冠、水色というか淡い青紫色の丸い花弁が5枚の可愛い花です。副花冠の中から雌蕊の花柱が顔を見せていますが、雄蕊もかすかに覗いています。どこがキュウリか?葉を揉むとキュウリの匂いがするのです。

 

細長い、赤錆びた釘の様だったキブシ(木五倍子)が、先週予想した通り、漸く花開き始めました。きっとあっという間に満開になることと思います。

 

アップにして見ると、しっかりとした雌蕊と、頼りない雄蕊が。

 

最後は芝の中に咲く細長い花。カンスゲ(寒菅)です。花とはいえ風媒花ですから華やかさはありません。上の方でボサボサしているが雄花の穂。

 

下の方でモジャモジャしているのが雌花の穂です。冬でも枯れないから「寒」スゲと呼ばれるのだとか。線は細いのに逞しいのです。

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