情景「プールサイド」

2021/08/26

残暑、今日もまた

水を得し魚となりて暑を凌ぐ

 

(以下、柴橋さん投稿です。)

パンパスグラスの穂が光に輝いています。名前の通り、南米の大草原(パンパス)が原産だそうですから、広々とした庭の芝にこそ映えるというのも道理です。和名ではシロガネヨシ(白金葦)と呼ぶそうです。風に穂が大きく揺らぐ光景は、歌舞伎の獅子物での「毛振り」の様です。

(去年8月末に穂が出て早いと思っていたら、今年は8月10日過ぎには穂を揺らし始めていました。桜も夏萩も早かった。梅雨明けも・・・。秋風も早いのでしょうか。)

雌雄別株なのですが、穂をよく見ると、小さなブラシの様な雌蕊がたくさん。庭のパンパスグラスは、どれも雌株の様です。

(そうでしたか。)

パンパスグラスは「お化けススキ」と呼ばれたりもするようですが、旧正門跡近くには、ススキ(薄)も穂を伸ばし始めました。近付いて観察すると、葯(やく:花粉袋)をつけた雄蕊と、ブラシ状の雌蕊が見られます。ススキの花です。

その近くに、ツルボ(蔓穂)が薄紫色の花を密生した細長い穂だけを出していました。小さいながら、色も形も可憐な花です。今は葉が出ていませんが、春と秋の年に2回出るそうです。

旧第一病舎北側の木陰には、どこかツルボと似たヤブラン(藪蘭)が咲いています。名前に蘭とはありますが、蘭の仲間ではありません。名前の由来は、藪に生え出て、葉が蘭と同じ様に細長いということなのでしょう。

淡い紫色の花や蕾が密生する花茎の中に、光沢のある綺麗な緑玉が見られます。一見果実の様に見えるのですが、種子そのものが剥き出しになっているのだそうです。

近くには、ノシラン(熨斗蘭)も咲いています。こちらも蘭の仲間であるわけではないのですが、蘭と同じ様に細長い葉を持っています。更に、熨斗を想起させるのが名前の由来らしいのですが、これはどうもピンときません。半日陰の中で、白い花が俯むきがちに咲いています。

センダングサ(栴檀草)が、偶然なのでしょうがセンダンの木の近くに、咲いています。葉がセンダンに似ているからというのが名前の由来だそうです。見てみると、確かに。花は、いかにもキク科らしい花です。花が終わって出来る実は、動物の体やヒトの衣類に張り付いて広がります。そういえば、この付近には、春には、同じ様なひっつき虫であるヤエムグラが咲いていました。

ダンチク(暖竹)も穂を伸ばしています。穂先の方には、アシナガバチが頭隠して尻隠さず … 。しっかり針も確認できますから、メスの蜂です。模様の具合から、フタモンアシナガバチ(二紋脚長蜂)であろうと思います。

(今年はハチをよく見かけます。プールでも。見つけ次第、外に出す算段をしていますが、ご注意お願いいたします。)

この時期、旧第一病舎を背景に、夕陽を逆光にして燦然と煌めくパンパスグラスの光景は、太陽の郷庭園ならではの美しさです。プール帰りに味わえる贅沢な情景です。

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