情景「プールサイド」

2023/10/26

深まりゆく秋

各地から秋便りが届いてきます。大雪山や青森・酸ヶ湯温泉から初冠雪と紅葉の対比が、秋田ほか多くの地から冬ごもりを前にした熊騒動が、錦秋の北アルプスからは山小屋仕舞いに勤しむ小屋番の様子が、と、深まりゆく秋を感じさせてくれる映像の数々です。郷の庭も染井吉野の落葉が進み、欅はすっかり秋色、早くに色付きを見せた錦木は本格的に朱に染まってきました。焼き芋に手がのびるようにもなりました。食欲の、スポーツの、芸術の、読書の、行楽の、と秋は何をするにも相応しい。澄み渡る秋空の下、今日は何をしましょうか。

 

(以下、柴橋さん投稿です。)

先週は、10月も半ば過ぎなのにまだツユクサが咲いていることを紹介しましたが、もっと驚いたのは、春の七草の一つであるハコベの花が咲いているのを見つけたことです。茎が緑ですからミドリハコベ(緑蘩縷)でしょうか。花弁の切れ込みが深いので花弁が10枚の様に見えますが、2枚1組ですから5枚です。星型の配置だなと思ったら、学名は星(ステラ)に由来するステラリアというのだと知りました。

 

ツユクサ(露草)は、若い果実となりました。巣から雛がちょっぴり顔を出して外を覗いている様な光景です。

 

秋は実りの季節です。でもまだ熟していない段階だと、「らしい」状態にはなりきっていません。黄色の果皮が割れて中から鮮やかな赤い種子が現れるのが「らしい」姿のこの果実は、ツルウメモドキ(蔓梅擬)。先端に残っている花柱が「らしい」姿の一つです。驚いたのは、黒い半球状の冬芽。果実が熟す前のこの時期にもう出ているのですね。

 

赤から熟すと薄緑に変わったのがヌルデの果実(2023/10/12)でしたが、はて、写真のこの果実の色の変化の順番は如何に。緑が赤みを帯び始め、やがては黒紫色へと変わって行きます。旧第一病舎南のシャリンバイ(車輪梅)です。

 

同じ旧第一病舎南のネズミモチ(鼠黐)の果実は、緑からいきなり黒紫色へと変化中です。この果実がネズミの糞に似ているからというのが、名前の由来だと言うのですが…

 

薄緑から紫へのこの微妙な色合いの変化が素敵です。正門から入って左手に進んだ所のユズリハ(譲葉)です。これもやがては黒紫色になります。冬芽も見えていますね。

 

多彩な色となれば、これでしょう。ノブドウ(野葡萄)の果実です。名前にブドウと付いていますが、房にはならず、果肉も少ないし食用にはならないそうです。

 

薄緑色は既に熟して薄褐色となりました。プール準備棟正面の門から入って左側のハゼノキ(櫨の木)の果実です。この果実から採取される脂肪から、和蝋燭が作られていたのだとか。クレヨンにも利用されていたそうです。そう言えば、確かにクレヨンは撥水性ですね。

 

見上げると、正門脇の松にオナガ(尾長)が、名前の通り、長い尾を棚引かせて優雅に飛来しました。飛ぶ姿はエレガントなれども、その姿にはそぐわない鳴き声の持ち主です。カラスの仲間と知れば、それも納得…

 

番外編です。プールへ来る時の道すがら、郷のまっすぐ南の海の砂浜で見つけたアカザ(藜)です。特段何も珍しくは見えない草なのですが、今の時期、茎が少しゴツゴツした様になっています。念のために近寄って接写すべく、ファインダーを覗いて驚きました。まるでお砂糖にまぶした小さな可愛いお菓子ではありませんか。花が咲き終えた後の果実の姿です。

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