情景「プールサイド」

2023/10/19

里の秋

童謡「里の秋」は秋を描きながら、南方に出征した父の帰還を待ちわびる母子の気持ちを滲ませた歌でもあるのですね。作詞:斉藤信夫、作曲:海沼實、昭和20年NHKラジオ「外地引揚同胞激励の午后」という番組で発表され、大きな反響を呼んだと言います。

♫1しずかなしずかな里の秋 お背戸に木の実が落ちる夜は
ああ母さんとただ二人 栗の実煮てます囲炉裏端
♫2明るい明るい星の空 鳴き鳴き夜鴨の渡る夜は
ああ父さんのあの笑顔 栗の実食べては思い出す
♫3さよならさよなら椰子の島 お船に揺られて帰られる
ああ父さんよ御無事でと 今夜も母さんと祈ります

3番の椰子の島は父のいる南方の島、無事のお帰えりは国民皆の願いだったのでしょうね。

斉藤信夫はこれより4年前、太平洋戦争の真っ只中に「星月夜」という詞を書いています。1、2番が「里の秋」と同じで3番では、お父さんの武運を祈る、4番では、僕も大きくなったら国を守ると言った戦時色の強い歌詞になっていました。詞をもらった海沼實はこれに曲を付けていません。そして終戦を迎え、3、4番が今のように置き換えられて「里の秋」が生まれました。
秋をしみじみと歌い上げる「里の秋」、この歌と戦後を辿ってきたと思うと感慨深いものがあります。

 

(以下、柴橋さん投稿です。)

10月も後半になろうというのに、今年はまだツユクサ(露草)が咲いています。朝に咲き昼には萎むことが朝露を想起させるのがこの名の由来だと言われるくらいですから、午後も遅くにプールに来る身にとっては撮影する機会に恵まれていませんでした。ところがこの個体、どういう訳か午後4時過ぎだというのに花の姿で被写体になってくれました。

 

露草の花は結構複雑な構造です。先ほどの正面写真で目立つのは、青い花弁のほかに、花中央の3つの黄色いX字型の雄蕊らしきものと、象の牙の様に突き出た一対のこれまた雄蕊らしきもの。しかし、牙とX字型の間にもう一つ黄色いものが1つあります。側面から撮った写真がこれ。これら6本はどれも雄蕊なのだそうです。でも実際に花粉を出すのは一対の牙状のものだけで、後の4本は見せかけのもの(仮雄蕊)だそうです。雌蕊が本物の雄蕊に重なるかのように見えています。仮雄蕊は、花蜜を出さない露草が、蜜の代わりに虫の注意を引くための広告塔なのだとか。でも虫にはバレているのか、露草に集まる虫は少ない様です。

 

ひょうたん池傍に咲くミゾソバ(溝蕎麦)も、朝開くも昼過ぎには行儀良く閉じてしまう花です。白い花弁の先端に薄いピンクが入った可憐な姿です。

 

プールで、この花の名前を思い出そうとしたのですが、なかなか出て来ません。つい喉元まで出そうなのにそれが出てこないのです。結局、プールに入っている間中、ずうっとモヤモヤ状態なのでした。なのに、更衣室に戻ってシャワーを浴びた途端、パッと出て来ました。タマスダレ(玉簾)でした。記憶とは不思議なものです。

 

ススキ(薄)の花です。ブラシ状のものが雌蕊、細い糸に吊られたものが雄蕊の葯です。花粉を放出すると葯はすぐに黒っぽくなりますし、雌蕊も銀白色の時期は短いことを思えば、両方ともが綺麗な状態で撮れたのは正に絶好の機会に恵まれたのでありました。

 

一方、ハマスゲ(浜菅)に関しては僅かに機会を逸した様です。それでも大きく裂けている柱頭の雌蕊、花粉を放出した後の雄蕊がよく判ります。

 

ひと頃は、秋の花粉症を引き起こす犯人として悪玉扱いされたセイタカアワダチソウ(背高泡立草)。その濡衣は晴れた様ではありますが、蔓延り過ぎるせいなのか、その雑然とした姿のせいなのか、世間からは相変わらず迷惑者扱いされる傾向にある様です。でもご覧の通り、キクの仲間らしい花なのですよ。

 

先週も紹介したばかりなのですが、東の生垣に、たわわに実った見事な房を見つけたので再び。アオツヅラフジ(青葛藤)の果実です。房の下の葉は、本当のフジ(藤)の葉です。

 

東の生垣付近からもう一つ。ムラサキシキブ(紫式部)の果実です。葉も含めてあまり綺麗な状態ではないのですが、写真では比較的良いところだけをズームで。

 

この季節に多く見かけるウラナミシジミ(裏波小灰蝶)です。白い縞模様と後翅の端の黒い斑点が特徴的なので同定は容易です。その斑点付近に足の様なものが見えますが、これは足ではなく翅の一部です。アゲハ蝶では直線的に伸びていて、見るからに翅の一部であるのですが、この尾状突起、一体どういう機能をしているのでしょうね。

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