情景「プールサイド」

2021/10/28

10月の白き富士

朝プールサイドに立つと白い富士山が見えました。それも5合目辺りまで白い。10月でこんなに下の方まで白い富士山は、ここから初めてのような気がします。今年の冬は雪が多いのかななどと思ったりしています。コロナが収束して滑りに行けるといいのですが・・・。

 

(富士山写真の次から、柴橋さん投稿です。)

陽射しは柔らかく、影は長くなりました。柿の木を前景に、青空を背景に、旧南湖院第一病舎が美しく佇む、秋の午後です。

 

(柿は全部カラスが食べてしまいました。)

旧第一病舎の脇から続く庭園散策路の南端に、ホトトギス(杜鵑草)が咲いています。ひと月半程前に咲いていたタイワンホトトギス(台湾杜鵑草)が茎の先端に花をつけるのに対し、今咲いている日本在来のホトトギスは、花を葉腋に列になってつけます。咲く時期もひと月程ずれていますね。

傍に咲いているイヌコウジュ(犬香薷)の花は、微妙な色合いです。大きさ僅か3ミリ程。腕試しにと、再度の撮影にも気合が入ります。肉眼で見るより寧ろレンズを通しての方が、細かなところまで観察できます。

ここのところの急な冷え込みのせいか、散策路に面したナンキンハゼ(南京櫨)の果実の幾つかから、白い種子が顔を出しました。いよいよ秋が深まり始めるという合図の様です。

(葉が色付き始めていますね。)

その近くで、鮮やかな紅色が目を惹きます。アキギリ(秋桐)の園芸品種ではないかと思います。アキノベニバナサルビア(秋の紅花サルビア)ほか、色々な呼び名がある様です。

こちらもアキギリの園芸品種でしょう。おめでたい紅白の色ですし、形も、咲きぶりも魅力的です。

線香花火が爆ける様な姿なのは、センダングサ(栴檀草)の熟した果実です。これほど熟す前に、筒状に束になった形でヒトの衣服や動物などに付着てしまうので、こんな放射状に広がった姿になるのは案外少ないのかも知れません。

(この間、ズボンにたくさん付けて帰ってきました。)

そんな線香花火の一つを接写したものです。放射状に広がる一本一本の棒が果実です。その先端には槍の様な白い数本の冠毛に分かれており、その一本一本に下向きの鋭い棘があります。そして黒っぽい棒の部分には逆に上向きの棘があります。これらの棘で衣服などに容易に引っ掛かり、根元から容易に外れて、衣服等についたまま遠くまで運ばれ、センダングサの植生域が広がります。この棘で巧みに引っ掛かる仕組みを活用したのが、日常生活で色々使われているマジックテープだそうです。

今春に咲いた花の果実と、来春咲く花の芽を同時に見せて呉れているのは、旧第一病舎傍のアセビ(馬酔木)の木です。果実の先端には長い花柱を残しています。はて、咲いている時に花柱なんぞ見たかなと思い起こしてみると、花は口が細い壺型で下向きでしたので、中の様子は確とは見えていなかったのでした。果実は5つに裂けて、中から種子が覗いています。

ヤツデ(八つ手)から、大きな包帯を巻いた様なものが…。僅かに開いた隙間からは、蕾が顔を覗かせています。包帯姿の正体は、花芽だったのですね。それにしても、個々の花は小さいのに、花芽のなんと大きいことか…。今後の展開が楽しみです。

(翌10/29の夕富士)

お問合せ

  • TEL:0467-83-8274
  • アクセス(送迎バスあり)
  • webからのお問い合せ

ページトップへ