情景「プールサイド」

2021/11/11

立冬の頃

湘南の秋が深まります。ここ太陽の郷でも、樹々がそれぞれに紅黄葉に染まり、今を盛りと主張するかのようです。暦は立冬を過ぎました。冬がそこまで来ているのですね。澄み渡る青空の下、陽だまりが心地いい。プールの行き帰りに庭園で寛ぐなんていかがですか。

(立冬の引き締まる肌ひとさすり)

 

(以下、柴橋さん投稿です。)

プールの窓から見える、あの眩しい様な紅葉は何だろうと、近付いて見ました。思った通り、ナンキンハゼ(南京櫨)でした。紅葉は逆光で見ると特に美しいですね。

傍のツツジの茂みから顔を出したオオカマキリ(大蟷螂)と目が合いました。カメラ目線というか、眼(がん)つけられた、と言うかのような鋭い睨みです。そう感じたのは、眼の黒い小さい瞳がこちらに向いていたからです。が、はて?と、そこで考えました。カマキリの眼は、トンボの眼と同じ様に、沢山の「個眼」が集まった「複眼」の筈。だとすると、瞳などある筈もなし…、となると、あの瞳の様な小さな黒い点は一体何なのでしょう? 複眼を構成している個眼のうち、たまたま視線方向にある要素だけが、その中の深い構造まで見えるために黒い点として見えているのでしょうか。調べてみると、概ねその通りの様で、その見掛けから「偽瞳孔」と呼ぶのだそうです。

拡大して眺めてみると、鋭い口と大きな複眼に圧倒されます。2本の触角の中間にはホクロの様な点が。その少し上に同じ様な点が2つ。3つで逆三角形を成しています。何だろうと思って、また調べてみると、これらはそれぞれ単眼なのだとあります。びっくりです。カマキリって、複眼2つに単眼3つの、5つ目の持ち主だったなんて、知りませんでした!

そこでまた考えました。ならば、カマキリはいつもカメラ目線? 何枚か撮った写真を見直すと、確かに全てそうでした。そこで更に考えました。複眼の昆虫には、どれも偽瞳孔が見つかる筈と。で、近くに止まったキチョウ(黄蝶)の眼を良くみると… う〜ん、良く分からない。電子の眼の助けを借りて、もう一度… おぅ、あった、あった、… 予想的中に思わず興奮です。

今度はヤマトシジミ(大和小灰蝶)です。図体は小さいし、眼は黒っぽいし、分かるかなぁと思いつつ、撮った写真を拡大して見てみると、やはり、偽瞳孔が見えるではありませんか!視線に横向きの姿勢なのに、偽瞳孔はきちんとカメラ目線です。

調子に乗って、夏に撮ったセミの写真を引っ張り出しました。ミンミンゼミ(蛁蟟)です。ありました、ありました、ちゃんと偽瞳孔が。

さらに… 複眼の間に白っぽい点として写っているのが単眼の様です。残念ながら3つのうちの1つは確とは認められませんが、配置からすると光の加減でそれも仕方ありません。来年忘れずにまた挑戦しましょう。それにしても、セミも複眼2つに単眼3つの、5つ目の持ち主だったとは!

興奮冷めたヒトの眼で見ても、壁を這うツタ(蔦)の色調の対比と遷移が一段と美しい情景となっていました。「這う」と書いてしまいましたが、「伝う」が転じて、ツタと呼ばれる様になったのだとか。常緑のキヅタと区別するために、ナツヅタ(夏蔦)と呼ばれることもあります。

ヤツデ(八つ手)の蕾はもうすっかりそれと分かる姿となりました。一部が開花し始めるや、早くもアリや小さなアブなどが寄って来ています。

締めくくりは、同じく紅葉の美しいハゼノキ(櫨の木)です。雌雄別株ですが、果実をつけているのは無論雌株です。この果実から蝋を採取して和蝋燭などに利用していたそうです。外花被が剥けると確かにロウ質の中果皮になります。

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